GAME de B-DASH

ゲームが特別うまい訳でもないけれど、ちょっぴり古いゲームから最新のゲームまでゲームと名がつく物が好きな人のブログ。

カセット交換式ゲーム機の遍歴 〜その1〜

『チャンネルF』
カセット交換式ゲーム機の紹介として外せないのはフェアチャイルドセミコンダクター社が1976年8月に発売した『チャンネルF』という機種。
『Video Entertainment System(VES)』という名称がつけられていたが、後にアタリ社が発売する『Video Computer System(VCS)』と似ているという理由で何故か先に発売していたこちらがチャンネルFと名称を変更した。
世界初のカセット交換式ゲーム機で、本体にCPU(フェアチャイルドF8)を搭載する画期的なマシン。
フェアチャイルド社は自社でCPUを開発できたのでその長所を活かせたのだろう。
まだゲーム機のコントローラーそのものが確立されていない頃に発売された為、操作方法が独特で、ノブを上下左右に動かしたり、引っ張ったりして遊ぶ。
日本では丸紅住宅機器販売から本体128000円、カセット9800円という驚きの価格で販売された。販売はデパートの店頭が主だったが、電話による通信販売もあったらしい。
流石に高すぎるためあまり売れた印象はない。
カセットを横向きに挿すのが何ともレトロちっくで味がある感じだが、今だと逆に斬新。
販売台数はアメリカで30万台。
 
『AtariVCS』
正式名称は『Video Computer System』アタリ社が1977年9月11日に発売した。
こちらも後に『Atari2600』と名称を変更している。アタリ社が出していた家庭用ゲーム機『HOME PONG』の後継機種として開発された。
こちらも本体内部にCPU(モステクノロジー社の6507)を搭載している。
発売当初は『チャンネルF』の影響を受け、あまり売れなかったようだが、VCSのプログラムコードを解放したことで、様々なサードパーティからソフトが供給されることになり売上は一気に拡大し、アメリカでは家庭用ゲーム機のスタンダードとなる。
日本ではエポック社が『カセットTVゲーム』として輸入販売しているが、本体価格57300円。ソフト12500円と高い値段設定のため30万台程度しか売れていない。
しかしアメリカでは2000万台以上売れており、エポック社がアタリ社に発売を依頼した『スペースインベーダー』の移植作はAtari2600の代表作として知られている。
その一方、どんなソフトでも出せば売れるという状況に、つまらないソフトが大量に発売されてしまい、挙げ句の果てにはアタリ社自信も伝説のクソゲーE.T.』を発売するなど、ソフトの質の低下が問題視された。
その結果Atari2600だけではなく他のゲーム機まで全く売れなくなってしまう『アタリ・ショック』と呼ばれる問題を引き起こした。
 
『ビデオカセッティ・ロック』
タカトクトイズが1977年10月に発売した。
日本製では初のカセット交換式ゲーム機。
CPUを使用せず、ゼネラル・インスツルメント社のLSI(GIMINI8600)を使用している。
このGIMINIというLSIはカセット交換式ゲーム機を容易に製作出来るのが特徴で、少し回路に詳しい人なら趣味の範囲でもゲーム機を製作できた。
本体はCPUを搭載していないため安価に製造できる。(本体価格9800円)
その代わりカセット側にゲーム用のLSIを積む必要があった。『カーレース』のカセットはまだ出たばかりのLSIを使用しているため値段が高く、23000円もした。
オリジナルゲームではなく、あくまでもゼネラル・インスツルメント社が作ったLSIをカセットに載せているだけであった。
 
『ビジコン』
東芝が1978年4月1日に発売したゲーム機で国産では初めて本体にCPUを搭載した。
東芝玩具店への販売経路を持っていなかった為、家電量販店で販売した。
その影響か、玩具と言うよりは家電を意識した感じになっており、本体も高級感がある仕上がり。金属パーツも多く使われており非常に格好が良い。
本体価格は54800円と高価であったが、カセットの値段はプログラムを記憶させたROMを載せるだけなので全てのタイトルが一律5000円と安定供給できた。ゲームをするときはテンキー型のコントローラーにジョイスティックを被せて使用する。
ゲームだけでなく学習ソフトも発売された。
 
『TV-JACKアドオン5000』
バンダイが1978年6月頃に発売したゲーム機。
アドオンシリーズとしては1000、1200、1500、2500、3000と続き、5000でカセット交換式になった。
ゼネラル・インスツルメント社のGMINIを利用している為、タカトクトイズのビデオカセッティー・ロックとほぼ同じような機種と言える。
こちらはコントローラーが分離式でその分操作性が良くなっているかも。
本体とカセット2本をセットで19800円。
□まとめ
この頃のゲーム機は各社様々な機種が発売されており、バリエーションが多い。しかしプレイできるゲームは似たような物しかなかった。いわゆるポンゲームの亜流ばがりだったし、ユーザーもそういう認識だった。
そんな中、玉石混合ながらも様々なゲームがカセットで発売されたAtari2600はテレビゲームのこれからのあり方を示したと言える。
一方、日本ではまだカセット交換式ゲーム機よりも任天堂が1977年に発売した『カラーテレビゲーム15』が覇権を握っていたのだった。
次回はエポック社カセットビジョンが登場します。