GAME de B-DASH

ゲームが特別うまい訳でもないけれど、ちょっぴり古いゲームから最新のゲームまでゲームと名がつく物が好きな人のブログ。

オデッセイ

『オデッセイ』
オデッセイ(マグナボックス社)は1972年9月に発売された世界初の家庭用テレビゲーム機である。
個人的に見た目は結構好み。スタイリッシュで中々良いデザインだと思う。
後にテレビゲームの父と呼ばれるラルフ・ベアが開発した。
ベアはドイツ生まれのユダヤ人であったが、ナチスによるユダヤ人迫害が激しくなった為アメリカに亡命した。
科学者であるベアはオシロスコープを用いてテニスゲームを作成し楽しんでいたが、ある日テレビゲームというものを思い付く。
そしてベアが1966年に作ったのが『ブラウンボックス』というテレビゲームの試作機であった。

 ブラウンボックスはその名の通り茶色い木の箱で出来ていて、コントローラーには操作するためのパドルが2本付いていた。この2本のパドルで上下左右の操作を可能としている。
ベアはこのブラウンボックスを数々の企業に持ち込んで提案を行ったが、5年もの月日をかけて唯一理解を示したのがマグナボックス社であった。
マグナボックス社から発売されたオデッセイはブラウンボックスに比べるとコストカットの為に幾つかの機能を削っている。
まず色の表示。オデッセイでは白のみ扱える。
次に音。オデッセイには音が無い。
そしてゲームカード対応。これはゲームカードを差し替えることで数種類のゲームを起動出来る仕組み。画期的と言えば聞えが良いが、単に起動できるゲームを制限する役割であって、ゲームカードといってもプログラムが記録されているわけではなく内部の配線が変わるだけの仕組み。これは別売りのゲームカードが存在する。
ゲームの方は画面に写し出された白いドットを打ち返すピンポンなど単純なもので、得点表示や勝ち負けの判定など無く、プレイヤーの自己判断に任せるスタイル。
というのもIC等の演算装置を用いておらず、計算など出来るはずもない。
別売りでテレビに張り付けて画面の雰囲気をサポートするオーバーレイシートや、前途した数種類のゲームカード。得点などを表すカードやチップ。画面のドットを撃って遊べる光線銃などがある。光線銃はなんと任天堂製であった。
オデッセイは30万台の売上を記録したが、ヒットしたとは言い難い。

 そもそもこの頃はテレビゲームの認識が無く、オデッセイのテレビCMでマグナボックス製のテレビを使用していた為に、それを見た人々からは『マグナボックス製のテレビでないと使用できない』といった間違った認識が広がってしまったからだと言われている。
しかしこのオデッセイの登場はビデオゲームに多大な影響を与えた。
それは搭載されているゲームの1つ、ピンポンである。ビデオゲームとして初めて商業的に成功したと言われるアタリ社の『PONG(ポン)』という有名なゲームがある。
このPONGの成功があるから今のビデオゲームがあると言っても過言ではないだろう。
そしてそれはオデッセイのピンポンにそっくりであった。
そこでマグナボックス社はアタリ社を相手に控訴を起こす。結果としてアタリ社は70万ドルをマグナボックス社に支払った。
オデッセイで一番儲けたのはこの70万ドルだったと言われている。