GAME de B-DASH

ゲームが特別うまい訳でもないけれど、ちょっぴり古いゲームから最新のゲームまでゲームと名がつく物が好きな人のブログ。

ライバルと闘い続けたセガのゲーム機たち 〜その4〜

ドリームキャスト

 1998年11月27日発売。(価格29800円)
サターンでは序盤はプレイステーションと互角に闘い、後半は価格競争に悩まされた。
性能で言えば3D性能が若干弱かったのと、バックアップROMカートリッジが不安定過ぎたという欠点があった。
ドリームキャストでは内部構造をパソコンに近づけた。それによりソフトを作りやすくした。3D性能を上げたのはもちろん、アーケード基盤の『NAOMI』と互換性がある。サターンではアーケードからの移植にも苦労した。ドリームキャストではその反省からアーケードのゲームを遜色なく簡単に持ってくることを可能にした。セーブにはビジュアルメモリーを使う。使用メディアはあまり聞かないGD-ROMという方式で、今までのCD-ROMよりも大容量(1GB)で、コピー問題にも対応出来るようにした。

 本体の色は白で、スマートなデザイン。ライトユーザー獲得も意識した感じ。
今度の相手はプレイステーション2だ。セガお得意の先行逃げ切りで覇権を奪いたいところ。
注目タイトルは『バーチャファイター3tb』だ。

 グラフィックの質は大幅に向上し、家庭用ゲーム機の世代が変わったことを証明してみせた。
しかしセガはやらかしてしまう。初回受注分を完売したは良いが、一部の部品が足りずに中々増産出来なかったのだ。これでは先行して発売している意味がない。
セガがモタモタしている間ユーザーの関心は次第にプレイステーション2へシフトしていく。
それというのもソニーが行ったプレイステーション2の発表会で段違いの性能をユーザーに印象付けたからだ。それほどソニーのプロモーションの仕方は上手かった。
しかもプレイステーション2なら話題のDVDも再生できるし、当時としては値段もDVDプレイヤーとして考えても最安値だった。
ドリームキャストは在庫切れどころか一気に大量の在庫を抱える事態になってしまう。
それでもセガはソフト資産で何とかドリームキャストを盛り返そうと奮闘する。
シーマン』、『ルーマニア#203』など個性的なゲームをリリースする。
特にシーマンは多くの賞を受賞するほど話題になり、一時期ドリームキャストの売上に大きく貢献した。

 他にも本体に電話回線に繋げるポートが標準装備されており、それを使ったオンラインRPG、『ファンタシースターオンライン』がヒット。ユーザーはオンラインプレイに夢中になった。
当時はブロードバンドなど一般家庭には普及していない時代。夜11時からアナログ回線使い放題の『テレホーダイ』を皆契約したのだ。
それと比較的簡単にインターネットに繋がるのが特徴だったため初インターネットがドリームキャストだったという人も多い。
サクラ大戦3』『スペースチャンネル5』『クレイジータクシー』『ジェットセットラジオ』『シェンムー』など名作は多数存在する。しかしプレイステーション2の勢いはゲーム史において前代未聞な程売れ続けた。
そしてセガは2001年1月31日にドリームキャストの製造中止。今後はゲーム機の製造をしないことを発表した。それはセガのハード事業からの撤退を意味していた。

 

こうしてセガの長い闘いは幕を閉じた。
セガのゲーム機は一度も一番にはなれなかった。序盤ではファミコンに惨敗し、メガドライブではスーパーファミコンの影を追う存在で、サターンでやっとチャンスが巡ってきたと思えばプレイステーションの台頭で闘いに破れ、ドリームキャストではプレイステーション2の足元にも及ばなかった。
しかし、セガのゲーム機を愛する人々が居るのも事実なのだ。
思い返せばセガのゲーム機は常に最先端だったではないだろうか?
セガマーク3ではゲームメディアにマイカードというカード型を採用したりFM音源を発売した。メガドライブは言わずと知れた世界初の16bit家庭用ゲーム機だし、サターンはアーケードゲームの興奮を家庭に持ってきて我々を楽しませてくれた。ドリームキャストは映像美とオンラインの楽しさを提供してくれた。
セガのゲーム機はあの頃の楽しさが詰まっている!