GAME de B-DASH

ゲームが特別うまい訳でもないけれど、ちょっぴり古いゲームから最新のゲームまでゲームと名がつく物が好きな人のブログ。

3DO

3DO

一般的に3DOというと松下電器産業(パナソニック)が1994年3月10日に発売した『3DO REAL』というマシンの事を指すと思いますが、正確にはアメリカの3DO社が提唱したマルチメディア機器の規格の名前です。
3DO REALの他にも三洋電機の『3DO TRY』など発売されています。
提唱した3DO社自体はマシンを発売することはなく、その規格に賛同したメーカーがマシンを発売し、そのロイヤリティを3DO社が受けとる仕組み。
その中で松下電器産業はいち早くマシンを開発した。
それまでのゲーム機では無理だった1677万色のフルカラー表示や、ポリゴンを扱えるマシンだが、あくまでもゲーム機ではなくインタラクティブ・マルチメディアマシンとして発表。その為価格は79800円と高額家電を意識したものになった。
結局発売時にはセガサターンの44800円や、プレイステーションの39800円に影響され、54800円と値下げされたが、それでも割高感は拭えなかった。
販売経路も一般的な玩具屋や、ゲームショップではなく、ナショナル・パナソニックの専門店か、一部の家電量販店で入手するといった具合だった。
1994年と言えば次世代ゲーム機が多く登場した年ですが、3DO REALはその先陣を切る形で発売されました。
注目タイトルはスーパーファミコンとの映像の違いを見せつけた『ウルトラマンパワード』、格闘(?)バイクゲームの名作『ロードラッシュ』、3Dシューティングの『トータルエクリプス』あたりが有名で、それなりに個性派タイトルが揃っていたと思います。

 私もパナソニックショールームでトータルエクリプスの試遊をした事があります。美しいグラフィックには次世代機の未来を感じましたが、個人的にはコントローラーの操作がイマイチしっくり来なかったという感想もその時抱きました。
3DOはソフトウェアのロイヤリティも他より破格で、サードパーティにとって参入しやすい環境だったと言われています。しかし発売されるソフトは良く分からない洋ゲーも多く、日本人にとって馴染みがないものが多かったのも人気が出なかった要因かもしれません。ただ、今になって考えてみるとサターンや、プレイステーションに移植されたソフト以外のマニアックなソフトは3DOでしか遊べない物が多く、貴重だなとは思います。
そんな3DOですが、次世代機の中では大穴的立場ではあったのですが、サターンやプレイステーションが発売されるとやはり劣勢になりました。そこで目玉タイトルとして『スーパーストリートファイターII X』を発売します。これを期にソフトラインナップが普通のゲーム機っぽくなります。本体も価格を44800円に値下げした廉価版の『3DOリアルII』にするなど、当初のマルチメディアマシンという思想ではなくゲーム機としての方向に舵を切りだします。

 インタラクティブシネマという新ジャンルを産み出した『Dの食卓』、パソコンから移植の名作アドベンチャーポリスノーツ』など発売され注目されますが、サターンやプレイステーションの人気に押され、1996年には販売停止しました。
しかし松下電器産業はまだ諦めてはいなかったのです。
3DOが失敗した要因は本体価格の高さでもあった。これは本体にも3DO社にロイヤリティの支払い義務がある為、他社のゲーム機の様に本体は赤字覚悟で販売し、ソフトフェアの売上で回収するといった販売形態が取れないでいたのだ。そこで松下電器産業3DO社を買収。同時に3DOの次世代の規格であるM2も手にいれる。
パナソニック・ワンダー・エンターテイメント社という新会社まで設立する力の入れようだった。その額トータル100億円!
3DO M2』のキラータイトルはずばり『Dの食卓2』で、64bitのCD-ROMマシンは発売直前まで漕ぎ着ける。しかしサードパーティが集まらず、結局発売される事はありませんでした。
M2は組込み型基板や、アーケード基板として世に出ましたが、100億円の一割も回収出来ていないだろうと予想されます。
その後も何度かパナソニックとしてゲーム業界参入の噂は上がってきます。MSXではソニーのライバルとして最後まで新機種を発売し続けたパナソニック

また勇姿を見せてほしいですね。