ポケットコンピュータ
『ポケットコンピュータ』
ポケットコンピュータ…何ソレ?
アラフォー世代以下か、もしくは工業高校出身者以外はまず知らない気がする。
時は80年代、一般家庭にパソコンが普及する前の時代。
日本ではシャープとカシオが積極的にポケットコンピュータ(以下、ポケコン)を販売していた。
そして我が家にはカシオのFX-750Pという機種があったのだった。
↑これがカシオのFX-750P
まさしくポケットに入るサイズのコンピュータで、画面はモノクロのLCD1行のみ!
ちょっと機能豊富な電卓といった雰囲気。
しかしこのマシンはポケコンという名に恥じないものでして、普通の電卓ではなかった!(当たり前)
何とプログラムが組める!それを記憶できる!実行することが出来る!
父が持っていたそのFX-750PはBASICと言われる初心者に優しい高級言語でプログラムが組めた。
説明書にはゲームのプログラムも載っていて、それを入力して遊び、そしてプログラムの意味を理解していったのである。
その結果…兄がゲームを作った!
モノクロ、しかもたった1行、カタカナを出すにはキャラクターを定義しなくてはならないなど、今考えると相当な制約がある。
兄が作ったそのゲームは説明書に載っていたゲームプログラムよりも面白くて何度も遊んだ。
その後私もプログラムを覚え始め、兄弟でゲーム作って楽しんだ。
…そんな事もあって90年位だったかな?
兄がシャープのPC-E500という機種を秋葉原で買ってきた。
↑これがシャープのPC-E500
それまで電卓と同じような画面だった所にこのマシンである!
グラフィックは描けるし、なんと言っても画面が広~い!
PC-E500はポケコンを知る者では知らぬ者はいないと言われる名機で、後のポケコンに多大な影響を与えた機種だった。ポケコンプログラマーにしてみれば夢が広がるマシンである。
当然今までのFX-750Pでは容量不足や、表現力の関係で作れなかったちょっと凝ったプログラムが組めるようになったのは言うまでもない。
次に91年位だっただろうか漢字が使えるPC-1360Kという機種を私が購入した。
↑これがシャープのPC-1360K
当時ポケコンのカタログを毎日眺めながら、カシオのFX-890Pとどっちを買うか散々迷った記憶がある。
↑因みにこれがカシオのFX-890
さて私が購入したPC-1360Kであるが、漢字が使えると言うのが最大の特徴のマシン!
LCDも4行(漢字の時は2行だけどさ…)そしてグラフィック命令も備えるオールマイティなマシンなのだ。
しかし想像を超える実行速度の遅さで、全てを台無しにする機種だった!
漢字にメモリを使いすぎているのだろうか、それとも単に遅いだけなのかは分かりませんが、グラフィックの描画は遅くて使い物にならないし、肝心の計算も遅い!液晶の反応速度までの〜んびりしている気がする。
決して安くない買い物だっただけに少し失敗したかなと思った。しかしそれでも愛着は湧いてくるもので、このマシンの漢字が使える長所を生かして何個かゲームを作ったりした。
やはりコンピュータは新しい方が良いんだなという教訓を得た。
まぁFX-890Pを選んでおけば良かったのかどうかは謎ですが。(どう考えてもPC-E500が最善策だったんだろうね。でも兄が持ってるから違うの買いたいじゃない?)
次に工業高校に入学し、PC-G805という機種を半ば強制的に手に入れた。
↑これがシャープPC-G805
強制的とは書いたが、手に入れた時はちょっと嬉しかった。
この機種は超有名8bitCPUのZ80を搭載した機種で、BASICは勿論、アセンブラやマシン語も使える!唯一残念だったのはグラフィック機能をBASICでは備えておらず、LCDもキャラクター毎に切れているのでフルLCDでは無いのです。
しかしそれでも実行速度は高速だし、高校で友達とゲームをして遊んだりした思い出の機種である。
…とまあ、色々なポケコンに巡り会えて幸せだったのですが、今私はPC-G850という機種のみ所持している。
↑こやつがシャープPC-G850
このマシンはオークションで購入した。
LCDは6行のフルグラフィックを実現!もう何でも出来る気分だ!
ポケコンとしては非常に高性能ですが、スマホとは比べるまでもない。
ただポケコンの良さとしては電源を入れて直ぐにプログラムが組めて、直接コンピュータを制御出来る実感があるところ。
狭い画面の中でも工夫次第で色々できるところ。
想像を働かせて楽しめるところ。
こういった楽しみ方はポケコンだからこそ。
たまにはノスタルジーに浸りながらポチポチとプログラムを組むのも良い時間だと思うのです。